解答するときの注意
記号で答える問題のほか、数値(【3】5、【6】問2)や関数名・SQL句・セル参照を記述する問題(【5】問2、【6】問4、【7】問3・問4)があります。審査基準では記述問題の大文字・小文字は問われません。
【5】問3、【6】問4、【7】問3・問4の複数解答問題は、問ごとにすべて正答して得点になります。
解説の凡例
すべての問題で、次の表示を共通して使用します。
各設問の問題文と選択肢、表・式を示します。
同じ分野の問題に共通して使える判断基準です。
設問ごとに、正答の根拠、計算過程、他の選択肢が不適切な理由を示します。
関数の引数や条件式の境界値など失点しやすい箇所です。
問題PDF末尾の審査基準に基づく最終的な解答です。
出典:公益財団法人 全国商業高等学校協会主催 令和7年度 第73回 情報処理検定試験 ビジネス情報 第1級(審査基準は問題PDF末尾に収録)
問題・審査基準PDF本記事は全商協会による公式解説ではありません。
設問一覧
正答一覧
| 番号 | 主な論点 | 正答 |
|---|---|---|
| 【1】 | 用語選択 | 1 キ 2 オ 3 コ 4 サ 5 ウ |
| 【2】 | 用語と説明文 | 1 オ 2 キ 3 ウ 4 ケ 5 イ |
| 【3】 | 用語・計算 | 1 ウ 2 ア 3 イ 4 ア 5 10日間 |
| 【4】 | 経営分析 | 問1 ウ 問2 イ 問3 ア 問4 名称 イ・図 ウ 問5 ア |
| 【5】 | SQL | 問1 イ 問2 VALUES 問3 ⒜ウ ⒝イ 問4 ア 問5 ウ |
| 【6】 | 表計算関数 | 問1 ア 問2 4 問3 イ 問4 ⒜I$3 ⒝$H4 問5 ウ |
| 【7】 | 料金計算書 | 問1 ア 問2 ウ 問3 ⒜COUNTA ⒝ROW 問4 ⒜* ⒝LEFT 問5 イ |
設問別解説
【1】用語選択(スパイラルモデル・DMZ・SQLインジェクション・DHCP・RASIS)
問題文
一般的な解法
用語問題の判断基準
- 開発手法:スパイラル(サブシステムごとに繰り返し)、ウォータフォール(順次・戻らない)。
- ネットワーク:DMZ=外部と内部の間の領域、VPN=仮想専用線、DHCP=IPアドレス自動割当、DNS=名前解決。
- 攻撃手法:SQLインジェクション=命令文の入力、ソーシャルエンジニアリング=人の心理の悪用。
| 設問 | 正答 | 正答の根拠 | 他の選択肢・注意 |
|---|---|---|---|
| 1 | キ | サブシステムごとに工程を繰り返す段階的な開発はスパイラルモデル。 | ウォータフォールは前工程に戻らない。 |
| 2 | オ | 外部と内部ネットワークの間の領域はDMZ。 | VPNは通信経路の仮想化。 |
| 3 | コ | 命令文を入力してデータベースを不正操作するのはSQLインジェクション。 | ソーシャルエンジニアリングは人を騙す手法。 |
| 4 | サ | IPアドレス等を自動割当するプロトコルはDHCP。 | DNSはドメイン名とIPアドレスの対応。 |
| 5 | ウ | システム品質の5指標の頭文字はRASIS。 | OSI参照モデルは通信機能の7階層。 |
【2】用語と説明文の対応(ルータ・システムテスト・ミラーリング・MACアドレス・フェールソフト)
問題文
一般的な解法
対になる用語の区別
- ルータ(IPアドレスで経路決定)とハブ(集線装置)。
- システムテスト(全体・開発者側の最終)と結合テスト(モジュール連携)。ミラーリング(同じデータ・耐障害性)とストライピング(分散・高速化)。
- MACアドレス(製造時・48ビット)とIPアドレス(インターネット上)。フェールソフト(縮減して稼働継続)とフェールセーフ(安全側に停止)。
| 設問 | 正答 | 正答の根拠 | 他の選択肢・注意 |
|---|---|---|---|
| 1 | オ | IPアドレスで経路を決めネットワーク間を中継するのはルータ。 | アはハブ。 |
| 2 | キ | システム全体を確認する開発者側の最終テストがシステムテスト。 | エは結合テスト。 |
| 3 | ウ | 同じデータを複数のディスクに記録して耐障害性を高めるのがミラーリング。 | クはストライピング。 |
| 4 | ケ | 製造時に割り振られた48ビットの固有アドレスがMACアドレス。 | カはIPアドレス。 |
| 5 | イ | 機能を縮減しても稼働を続けるのがフェールソフト。 | コはフェールセーフ。 |
【3】用語選択と計算(HTTPS・MTBF・電子署名・ハードディスク容量・共同作業日数)
問題文
一般的な解法
容量・作業量の計算手順
- ハードディスク容量=面数×1面あたりのセクタ数×1セクタの容量。1シリンダあたりのトラック数=面数。セクタ数がトラック番号で異なる場合は区間ごとに合計する。
- 共同作業:1日あたりの作業量を合計し、全体(1)を割る。端数は切り上げて整数日にする。
- MTBF=平均故障間隔(信頼性)、MTTR=平均修復時間(保守性)。
4.ハードディスク容量
1面あたりのセクタ数 = 800 × 300 + 1,000 × 200 = 240,000 + 200,000 = 440,000 セクタ
面数 = 1シリンダあたりのトラック数 = 10
容量 = 10 × 440,000 × 5,000 B = 22,000,000,000 B = 22 GB
5.共同作業の日数
1日の作業量 = 1/40 + 1/30 + 1/20 = 3/120 + 4/120 + 6/120 = 13/120
日数 = 1 ÷ 13/120 = 120/13 = 9.23… → 10日間(切り上げ)
| 設問 | 正答 | 正答の根拠 | 他の選択肢・注意 |
|---|---|---|---|
| 1 | ウ | Web通信を暗号化するプロトコルはHTTPS。 | VoIPは音声通話、IMAPはメール受信。 |
| 2 | ア | 故障復旧から次の故障までの平均時間はMTBF。 | MTTRは修復にかかる平均時間。 |
| 3 | イ | 本人性と改ざんの有無を証明するのは電子署名。 | CAは認証局、CIDRはIPアドレスの割当方式。 |
| 4 | ア | 10 × 440,000 × 5,000 = 22 GB。 | セクタ数を300で統一すると27GB、区間を誤ると45GBになる。 |
| 5 | 10 | 120/13 = 9.23日 → 10日間。 | 9日では終わらないので切り上げ。 |
【4】アライアンス・ロールバック・ABC分析・ファンチャート・セキュリティポリシー
問題文
一般的な解法
経営分析手法の判断
- ロールバック=更新前の状態に戻す(トランザクション実行前)。ロールフォワード=更新後の状態に進める。
- ABC分析:累積構成比でA(80%未満)=重点管理、C=管理を簡略化。スパゲッティ(細)18.2%・(太)51.6%はともにA。
- ファンチャート=基準時点を100%として変化率を扇状に表す。Zグラフ=値・累計・移動合計。ヒストグラム=度数分布。
| 設問 | 正答 | 正答の根拠 | 他の選択肢・注意 |
|---|---|---|---|
| 問1 | ウ | 独立性を維持したまま連携する経営スタイルはアライアンス。 | CRMは顧客関係管理、ERPは統合基幹業務システム。 |
| 問2 | イ | 更新前の状態に戻し実行前の状態に復旧させるのはロールバック。 | ウの「実行後」はロールフォワードの考え方。 |
| 問3 | ア | スパゲッティ(細)・(太)はいずれもAグループ(累積80%未満)で売れ筋。 | イはBを除外、ウはCを重点管理としており逆。 |
| 問4 | 名称 イ・図 ウ | 基準時点を100%として各系列の変化率を比較するのはファンチャート(図ウ)。 | 図アはヒストグラム、図イはZグラフ。 |
| 問5 | ア | 情報資産保護の対策・行動指針がセキュリティポリシー。 | イはコアコンピタンス、ウはコンプライアンス。 |
【5】動画共有サービスのデータベース(主キー・INSERT VALUES・日時の範囲・IN・HAVING)
問題文
一般的な解法
SQLの基本構文
- 主キー=レコードを一意に特定できる最小の組み合わせ。同じ会員は同時に複数視聴できないので、会員番号+視聴開始日時で一意になる(動画IDは不要)。
- INSERT INTO 表名 VALUES (値, …)。8月中=8/1 00:00:00 以上(>=)かつ 9/1 00:00:00 未満(<)。
- IN (副問合せ):外側と内側で同じ列(会員番号)を比較。HAVING の AVG(視聴時間)/収録時間 は視聴維持率そのもの。
| 設問 | 正答 | 正答の根拠 | 他の選択肢・注意 |
|---|---|---|---|
| 問1 | イ | 同時視聴できないため会員番号+視聴開始日時で一意に特定できる。 | アは同じ会員の複数回視聴で重複、ウは動画IDが余分。 |
| 問2 | VALUES | INSERT INTO 表名 VALUES (…)。 | |
| 問3 | ⒜ウ ⒝イ | 8/1 00:00:00 以上(>=)、9/1 00:00:00 未満(<)。 | ⒝に <= を使うと9/1 0時ちょうどが含まれる。 |
| 問4 | ア | 動画表に会員番号がある会員=投稿したことがある会員。 | 状態番号・動画IDは会員表と動画表を結び付けない。 |
| 問5 | ウ | AVG(視聴時間)/収録時間 は視聴維持率で、それが0.4以上かつ収録時間600秒以上。 | アは「視聴時間の平均が40%」で率ではない、イは収録時間が40%で意味が通らない。 |
【6】表計算関数(ABS・SMALL/COUNT・CEILING/TIME/HOUR・SUMIFS・ゴールシーク)
問題文
一般的な解法
関数の引数の考え方
- 距離の差は出発・到着の順で負になることがあるので ABS で絶対値にする。
- SMALL(範囲, k)=k番目に小さい値。COUNT(10件)/2=5 → 5番目に安い価格以下が条件。OR(機能≧7, 合計≧21) と AND で組み合わせる。
- 時刻のシリアル値は TIME(0,60,0)=1時間単位で CEILING(切り上げ)し、HOUR で時間数を取り出す。
- SUMIFS を右・下へコピーする複合参照:月は3行目固定(I$3)、商品名はH列固定($H4)。ゴールシーク:数式入力セル=利益 E7、目標値=1,050,000、変化させるセル=販売枚数 E3。
問2.◎の数
価格を小さい順に並べる:28,000/29,000/30,000/37,000/45,000/49,000/51,000/59,000/67,000/109,000
SMALL(価格, INT(10/2)=5) = 45,000 → 価格 ≦ 45,000 の商品:A・C・D・H・J
A:機能 8 ≧ 7 → ◎ C:6+7+8=21 ≧ 21 → ◎ D:6+8+7=21 → ◎ H:機能 7 → ◎ J:6+5+8=19、機能 6 → ×
◎の数 = 4
問5.ゴールシークの検算
E4 = 1,500 × 0.8 = 1,200、E6 = 2,400,000 × 1.15 = 2,760,000
E7 = 1,050,000 となる E3 = (1,050,000 + 2,760,000) ÷ 1,200 = 3,175 枚(実行結果と一致)
| 設問 | 正答 | 正答の根拠 | 他の選択肢・注意 |
|---|---|---|---|
| 問1 | ア | 出発駅が到着駅より遠い場合も正の距離にするため ABS。 | MODEは最頻値、MEDIANは中央値。 |
| 問2 | 4 | 価格が5番目に安い45,000円以下で、機能7以上または合計21以上の商品はA・C・D・Hの4つ。 | Jは価格条件を満たすが評価条件を満たさない。 |
| 問3 | イ | TIME(0,60,0) 単位で CEILING(切り上げ)し、HOUR で時間数を取り出す。 | アはFLOOR(切り捨て)とMINUTEで誤り、ウの60は時刻シリアル値の単位として不適切。 |
| 問4 | ⒜ I$3 ⒝ $H4 | 月は3行目を固定(I$3)、商品名はH列を固定($H4)してK7までコピー。 | 両方を絶対参照にするとコピーで変わらない。 |
| 問5 | ウ | 数式入力セル=利益 $E$7、目標値=1050000、変化させるセル=販売枚数 $E$3。 | アは数式セルと変化セルが逆、イは目標値にセル参照を指定している。 |
【7】リンゴ農園の料金計算書(INDEX/MATCH・LEN/COUNTIFS・OFFSET/COUNTA/ROW・HLOOKUP ワイルドカード・料金合計)
問題文
一般的な解法
料金計算書の読み解き
- INDEX(範囲, 行, 列):行=品種コードの位置(A5:A9)、列=等級の位置(C4:F4)。完全一致は MATCH の第3引数 0。
- メッセージの条件:LEN(C14)≦30 かつ MCが選択されている(COUNTIFS=1)。
- 会員表のデータ範囲は OFFSET(先頭, 0, 0, COUNTA(A:A)-2, 5) で自動拡張。F19〜F22 の列番号は ROW()-17 = 2〜5。
- 配送料金表のセルには複数の県名が入っているので、"*"&LEFT(住所,3)&"*" のワイルドカードで HLOOKUP する。
問5.料金合計の計算
C24 商品代金 = HK・秀の単価 3,700 × 3 = 11,100
C25 オプション料金 = BX 2,500 + SN 300 = 2,800
C26 配送料金:注文数 3 < 5、商品代金 11,100 < 15,000 → 住所「北海道…」→ 1,900
C27 割引料金:MP(有料会員)→ 11,100 × 10% = 1,110
C28 = 11,100 + 2,800 + 1,900 - 1,110 = 14,690
| 設問 | 正答 | 正答の根拠 | 他の選択肢・注意 |
|---|---|---|---|
| 問1 | ア | 行は品種コード(A5:A9)、列は等級(C4:F4)を完全一致(0)で検索し、閉じ括弧の数も正しい。 | イは近似一致(1)で括弧も不整合、ウは行と列の指定が逆。 |
| 問2 | ウ | 文字数 LEN(C14)≦30 かつ MC が1つ選択されている(COUNTIFS=1)場合に OK。 | アは⒝0でMC未選択、イのORは文字数を数えられない。 |
| 問3 | ⒜ COUNTA ⒝ ROW | COUNTA(A:A)-2 でデータ行数(見出し2行分を除く)、ROW()-17 で F19→2列目…F22→5列目。 | COUNTでは文字列を数えられない。 |
| 問4 | ⒜ * ⒝ LEFT | "*"&LEFT(F20,3)&"*" で県名を含むセルをワイルドカード検索。 | 3文字=「北海道」「埼玉県」など都道府県名の長さ。 |
| 問5 | イ | 11,100+2,800+1,900-1,110=14,690。 | アは配送料金を0にした値、ウは割引を引いていない値。 |